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社会保障審議会介護保険部会の論点 ③介護事業者の財務状況等の見える化

[2022.08.28]

こんにちは!東京都江戸川区のユニケア訪問看護リハビリステーションです。

 

今回も、さる7月25日に開催されました「社会保障審議会介護保険部会」において議論された内容について取り上げさせていただきます。

 

私たちにとって今後の事業運営・サービス提供において重要な内容と思われるため、連投何卒ご了承くださいませ。

私たち訪問看護ステーションでも、今後の事業運営を占う重要論点であると考えております。

今回のテーマは「介護事業所の財務状況等の見える化」についてです。ぜひお付き合いいただけますとうれしいです。

 

「介護サービス情報の公表制度」の現状

現在、一部の例外を除くすべての介護事業所には「介護サービス状況の公表」をすることが義務付けられております。

 

情報公表制度の主たる目的は、ご利用者様が適切な介護サービスを選択できるようにすることです。

ご利用者様の選択に資する情報を、契約の相手方である介護事業者は毎年都道府県に報告することを義務づけられているわけです。

 

この制度は非常に評判が悪く、税金の無駄遣いとまで言われておりました。

何故なら「ご利用者様の選択に資する」という、制度の主目的が十分に果たせているとは言えないからです。

正直、介護サービスの利用を検討される方は、このシステムをあまり活用しません。

もっぱら、地域包括支援センターの担当専門職さんや、ケアマネさんからの情報に基づいて、サービスを選択しているというのが現状ではないでしょうか。

 

非常に評判がよろしくなかった、この情報公表制度。

それがきっかけかどうかはわかりませんが、近年この情報公表制度をもっと活用できないかという動きが出てきているようです。

 

それが「見える化」です。

 

「見える化」~情報公表制度の有効活用

情報公表制度を活用した「見える化」への取り組みは、ここ数年で注目されております。

介護事業所にとって最も身近なのは、介護職員特定処遇改善加算の算定における「見える化用件」でしょう。

 

これは令和2年度から新たにルール化されました。

「介護職員等特定処遇改善加算」の算定要件の1つの 「特定加算に基づく取り組みについて、ホームページへの掲載等により公表していること(「見える化」要件)」については、「介護サービス情報の公表制度を活用し、①特定加算の取得状況を報告し、②賃金以外の処遇改善に関する具体的 な取組内容を記載すること」となっております。

 

情報公表の仕組みを最大限活用することを意図した内容と言えるかもしれません。

 

これまでは、多額の税金を使って構築した制度にもかかわらず、いわば宝の持ち腐れに近い状況となっていましたが、ここでようやく有効活用への道筋ができたように思われます。

 

財務状況を「見える化」することの真意は何なのか?

先程から取り上げている「見える化」ですが、さらに具体化へと進んでいくようです。

 

政府は、介護事業者の経営状況の公表を義務化し、国として把握・分析できる体制づくりを進めるという取り組みを進めようとしております。

こちらは、政権の重要課題や予算編成の方向性を示す「骨太の方針」に明記されています。

今回の介護保険部会でも、委員に配布された資料に記載があり、今回公表もされておりますのでご紹介いたします。

現在、社会福祉法人については社会福祉法にて、障がい福祉サービスを提供する事業者については障害者総合支援法にて、それぞれ事業所等の財務状況を公表することが義務付けられております。

 

この規定を、今回介護保険法にも適用し、介護事業所(事業者)に対しても義務化しようという動きがあるのです。

 

なぜ、このような動きになっているのかは謎です。

確かに、介護事業を行う社会福祉法人は多いですし、障がい福祉サービスを提供する民間法人で介護事業も行うところもたくさんあります。

足並みを揃える必要があるという観点で、このようなことを議論しているのか・・・

 

このようなことを考えて資料を読み込んでおりましたら、小さい字で下記のような文言が記載されていました。

 

「経営実態の透明化の観点から、医療法人・介護サービス事業者の経営状況に関する全国的な電子開示システム等を整備するとともに、処遇改善を進めるに際して費用の見える化などの促進策を講じる」と。

 

そうか!

事業者の財務状況を見える化することにより、どこにどれだけ費用が掛かっているのかが明らかになり、ひいては処遇改善を進める参考になる、ということか!

もしかしたら、今後の介護報酬改定を議論するにあたり、このようなエビデンスをもとに議論されることにより、基本報酬等のプラス改定が期待できるかもしれない!

 

こんな感じになるのでしょうか・・・

いや、今からあまり過大な期待をしない方がよいかもしれませんね(笑)

今後、介護事業所はどうすべきか?

前述の通り、現在社会福祉法人や障害福祉サービス事業者には財務状況を公表する規定が法律などに定められています。

次期制度改正にあたっては、民間を含む介護サービス事業者を対象とした介護保険法上での規定について検討が行われそうです。

 

では、財務状況や経営状況を外部公表することにより、私たち介護事業者にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

また、財務状況の見える化が法整備される可能性を見据え、介護事業者はどのような対策を講じるべきなのでしょうか?

 

使い勝手がよいとは言えなかった情報公表制度が充実してくれば、効果的に活用できるようになるかもしれません。

また、事業者の財務状況が明らかになれば、サービス利用を検討される方にとってよりよい事業所の選択に役立つかもしれません。

 

先程、財務状況を見える化することにおける国の意図が「さらなる処遇改善の判断材料にすること」であると申し上げましたが、それだけでなく別の意図があるように思えます。

 

経営状況が良好な事業者であれば、サービスを利用する側としては安心材料の一つになりますよね。

逆に、財務状況が芳しくない事業者であれば、利用者側にとっては不安材料の一つとなりかねません。

当然、後者のような状況にはなりたくはないわけですから、介護事業経営者はより健全な経営を求められます。当たり前の話といえばそれまでですが・・・

 

財務状況が見える化するということは、事業者の経営実態が詳らかになるということを意味します。

 

どの事業者様も、自分たちが運営する事業を高く評価してもらいたい。

粉飾決算をするということではなく、経営状態を少しでもよくするために努力をし、ありのままの実態を公開するということは、ご利用者側にとってはメリットが発生します。

そういう努力を重ねることにより、スタッフさんのモチベーションを醸成させ、ひいては強い組織を構築することに役立てる、というようにも考えられるのではないでしょうか?

まとめ

7月25日に開催した第95回社会保障審議会介護保険部会の論点について、3回にわたって取り上げてまいりました。

 

コロナ禍がまだまだ終息されず、外部環境はお世辞にもよい状況とは言えません。

高齢者は当面増え続けると言われておりますので、マーケットとしてはまだまだ「伸びしろ」があると思われますが、不確実性の高いこの世の中において介護事業を長期安定的に継続していくことは、決して簡単ではありません。

介護事業を長期安定化し、継続していくためには、世の中の情勢や動きに敏感であることが必要です。

 

ユニケア訪問看護リハビリステーションでは、上記のような介護保険制度の動向等について、これからも発信し続けてまいります。

また、当法人の様々な取り組みについてご紹介し、訪問看護という仕事の魅力についても随時お伝えしたいと存じます。

そして、ユニケアのファンを1人でも多く増やすことにより、私たちが提供する訪問看護サービスの質をもっと高めていけるよう努力いたします!

 

「訪問看護に興味がある」「訪問看護を学んでみたい」という方、ぜひユニケアにご相談ください。

きっと、皆様のお役に立てるものと信じております。

 

今回もお読みいただきまして、誠にありがとうございました。

 

【参考URL】

第95回社会保障審議会介護保険部会資料

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